ジャカルタの交通規制「Ganjil Genap」(奇数・偶数規制)とは?

インドネシアの首都ジャカルタは、世界でも有数の交通渋滞都市として知られています。どれくらいひどいかというと、歩けば10分で着く距離に、車では1時間以上かかってしまうこともあるくらいです(筆者の実際の体験談です)。この慢性的な大渋滞は、市民の生活や経済活動に大きな影響を及ぼしています。

こうした深刻な渋滞を少しでも緩和するため、2016年からジャカルタで導入されている交通規制が「Ganjil Genap(ガンジル・ゲナプ)」です。日本語では「奇数・偶数ナンバー制度」などと訳されます。

オフィスの場所選びはもちろん、ジャカルタへの出張の際も、このGanjil Genapは無視できない重要なルールです。この記事では、Ganjil Genapの具体的な仕組みから、対象となるエリア、違反した場合のペナルティに至るまで、網羅的に解説していきます。

ジャカルタの交通規制「Ganjil Genap」(奇数・偶数規制)とは?

Ganjil Genap 交通規制の基本的な仕組み

Ganjil Genapは、自動車のナンバープレート末尾の数字が「奇数(Ganjil)」か「偶数(Genap)」かによって、特定の日時・道路の通行を制限する制度です。基本的なルールは以下の通りです。

  • 奇数の日:日付が奇数(1日、3日、5日など)の日は、ナンバープレートが奇数の車両のみ通行可能。
  • 偶数の日:日付が偶数(2日、4日、6日など)の日は、ナンバープレートが偶数の車両のみ通行可能。(※末尾0は偶数とみなされます)

このシンプルなルールにより、対象道路を走行できる車両を減らし、交通量の抑制を図っています。

インドネシアのナンバープレートの例
例)このナンバープレートは「偶数」のため偶数日(2日、4日、6日など)のみ通行可能

Ganjil Genapの規制免除となる車両

基本的にGanjil Genapの規制対象は四輪車(自家用車)ですが、すべての車両が対象というわけではありません。以下の車両は規制から免除されています。

  • タクシー:ただし、GojekやGrabなどのオンライン配車サービスは規制対象なので注意
  • 電気自動車(EV):青いラインの入ったナンバープレートの電気自動車
Ganjil Genap交通規制の対象外となる電気自動車のナンバープレートの例
規制免除となる電気自動車のナンバープレートの例

その他、TransJakartaなどの公共交通機関や、救急車や消防車などの緊急車両なども規制対象外となります。

ブルーバードなどのタクシーは規制対象外となりますが、Gojekレンタカーなどを利用する場合は注意が必要です。

Ganjil Genap 交通規制の対象日と時間

Ganjil Genapの交通規制は毎日24時間適用されるわけではありません。平日の朝と夕方の通勤ラッシュ時に限定されています。

  • 規制日:月曜日~金曜日
  • 規制時間
    • :6時~10時(6:00 – 10:00 WIB)
    • 夕方:16時~21時(16:00 – 21:00 WIB)
  • 適用外:土曜日、日曜日、および祝祭日は適用されません。また、各種イベントにより適用外となることがあります。

なお、2016年当初の対象時間は 7:00-10:00、16:00-20:00 でしたが、2019年に法改正があり現在の対象時間となっています。

Ganjil Genapの対象となる主な道路

Ganjil Genapの交通規制はジャカルタ市内のすべての道路で実施されているわけではなく、特に渋滞が深刻な特定の道路が対象となっています。以下はその主な例です。

  • Jl. Jenderal Sudirman (スディルマン通り)
  • Jl. M.H. Thamrin (タムリン通り)
  • Jl. H.R. Rasuna Said (ラスナ・サイド通り)
  • Jl. Gatot Subroto (ガトット・スブロト通り)
  • Jl. M.T. Haryono (MTハルヨノ通り)
  • Jl. S. Parman (S.パルマン通り)
  • Jl. Panglima Polim (パンリマ・ポリム通り)
  • Jl. Fatmawati (ファトマワティ通り)
  • Jl. Gunung Sahari (グヌン・サハリ通り)

こちらも、2016年当初は9つの道路のみでしたが、2025年現在で26の道路まで広がっています。今後さらに拡大される可能性もありますので、最新の情報についてはジャカルタ州政府の公式情報を確認することをお勧めします。

https://www.jakarta.go.id/ganjil-genap

Ganjil Genap 交通規制への対策

Ganjil Genap 交通規制に違反した場合の罰則

交通規制の時間帯に、該当しないナンバーの車両で対象道路を走行した場合、交通違反となります。警察官による現場での取り締まりのほか、監視カメラ(ETLE)によって自動的に違反が記録されます。

違反者には、最大で500,000ルピア(約5,000円)の罰金が科されます。

Ganjil Genap 交通規制への対策

Ganjil Genap 交通規制を回避してスムーズに移動するためには、次のような対策が考えられます。

  • タクシーを利用する:ブルーバードなどタクシー会社の車両を利用するのが最も簡単で確実な方法かと思います。
  • 公共交通機関を利用する:少しハードルは上がりますが、MRTやTransJakartaなどの公共交通機関を活用すればGanjil Genapだけでなく渋滞の影響も受けずに移動できます。
  • Googleマップの機能を利用する:Android版GoogleマップではGanjil Genap規制を考慮したルート検索機能があります。自分の車のナンバープレートが奇数か偶数かを設定しておくと、交通規制を回避したルートを案内してくれます。

まとめ

以上、ジャカルタの交通規制「Ganjil Genap」について解説しました。規制対象のエリアと時間帯を正しく把握していれば、それほど難しい規制ではありません。

いくつかの回避策もあるため、状況に応じて適切な交通手段を選べば市内をスムーズかつストレスなく移動することが可能です。ジャカルタでのオフィスの場所選びや出張の際には、ぜひ参考にしてください。

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